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武藤記念講座(講演会事業)

記念講座の記録

2010年6月12日(土)

ジャーナリスト 櫻井よしこ氏
「この国の行方 防衛・教育・福祉について考える」(於大阪武藤記念ホール)

今日本はあらゆる面で国家としての力を衰退させています。特に隣国中国の軍事力・経済力の台頭により日本の危機が迫っているのに、現政権は国家観を持たず、バラマキにより政治への不信と失望を高めています。今なすべきことは、「日本がまっとうな国家に立ち戻ること、日本人が全うな日本人に立ち戻る」ことです。

次の中国大使と言われている方は経営者として有能との評価を得ています。然し南京事件の虚構など歴史問題についてのお考えはどうでしょうか、したたかな中国に対して大局を洞察する国家観を持っているでしょうか疑問です。隋に服属せず「日出る処の天子、日没する処の天子に書を致す。つつがなきや」と対等の外交を行った聖徳太子に学ぶべきです。真の国家たるためには外交力のバックに軍事力が不可欠であり、そのためには憲法改正も必要です。集団的自衛権も不可欠です。普天間基地は辺野古への移転案しかありえず、むしろ沖縄全体の基地統合の絶好の好機と捉えて、空洞化の危機に瀕する日米同盟の強化を図るべきです。

軍事力を国家の礎とし、歴史上例を見ないほど軍事費を膨張させている中国は、東シナ海の中間線を認めず、海軍力を背景にガス田開発を進める中国の前で力行使にただ引き下がるばかりの日本を侮っています。その遠大な戦略は2010年までに第一列島線を突破し、2030年までに空母部隊を完成させ第二列島線内の制海権を確立して、さらには2040年までに日本の生命線であるシーレーンが通るインド洋を確実に自分の海にしようとしています。日本は危機感を抱かずインド洋から海上自衛隊を引き上げ、対抗手段であるインド洋海軍会議にも参加していません。また中国は経済面では、重要戦略物資であるタングステン等のレアメタル産出で圧倒的優位を有するのみならず、通貨面では元相場を安く維持して対米輸出を増大させ、為替管理介入により切り上げを拒み、先ずは人民元通貨圏を形成し、最終的には元を世界の基軸通貨とする野望を持っています。以上同国にも訪れる少子高齢化が始まる2020年までに、経済面に於いても、軍事面と同様に世界に於ける覇権を確立するための国家戦略を描いています。

軍事と並び国家の基盤である教育については、祖国の歴史とその価値観の流れを汲む正しい歴史観が日本再生の鍵であると思います。日本の長い歴史のなかで培ってきた、即ち祖先を大切にして、美しい風習や文明を学校教育だけでなく折りにふれて子供達に伝えることが大切です。福祉については、教育同様に日本人は幾十世代もかけて責任と義務を大切にし、自分を削り、自分を犠牲にしても他の人のために頑張ってきた。然し本当の優しさは教育と同じく子供手当て等を配ることではなく、自助の自立心を助けてあげることであると思われます。

注釈

第一列島線 九州、沖縄列島、台湾、フィリピンを結ぶ線
第二列島線 小笠原諸島、グアム、サイパン、パプアニューギニアを結ぶ線
基軸通貨  世界各国の通貨の相対価値を決めるものであり、各国の準備通貨
      決済通貨として広く用いられる通貨。現在は米ドル。

以上

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