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武藤記念講座(講演会事業)

記念講座の記録

2010年10月16日(土)

政治評論家 屋山太郎氏
「民主党政権を占う」(於東京国際文化会館)

「ツートップの退任により民主党政権の焦点定まる」

前首相は、東アジア共同体と日米中の正三角形論により、普天間の移設問題を解決不能にした挙句に「抑止力を学べば学ぶほど海兵隊の必要性がわかった」と発言して首相に求められる資質の致命的欠陥を露呈して支持率が急落した。一方前幹事長は政党助成金という公金で自己の派閥を増大させたのみならず、その独裁的党運営手法により党内の不信を買ったうえ、二人とも政治とカネの問題もあり、退任を余儀なくされた。然しこのツートップの退任により民主党政権の焦点が定まったとも言える。

「官僚内閣制の清算が喫緊の課題である」

現総理は財務官僚の消費税増税に踊らされて参議院選で惨敗した。然し総裁選では、「反幹事長」を旗印として、(その手腕が期待されたものではないが)、勝利出来た。従って政策を丸ごと官僚に丸投げする「官僚内閣制」から、政党が主導して政治を行う「議会制民主主義」への移行を実現することが、現総理に課せられた最大の使命である。

官僚が主導する政治は、各省が省益の壁を立て、天下り法人を作りそこへ天下りをさせる。その結果は、膨大な無駄な予算が執行されるのみならず、国の経済活動の規制と統制が過剰となり不完全な市場経済が生み出され、国家経営の視点が欠けることになる。98もの空港を建設したのに韓国の仁川空港にハブ空港を獲られ、釜山港の貨物取扱量は日本の四大港の合計を上回られてしまったのはその悪しき具体例である。

然し現在執行部が辿っている道は、官僚特に財務省路線の術中に陥ったものである。そもそも官僚主導に歯止めをかけるには政治家が手綱を握った恒久的システムをつくるべきである。そのシステムの中核として国家ビジョンや予算編成を策定するため「国家戦略局」を作り財務省主計局をオーバーライドする構想であったのに、局から室さらにシンクタンクに格下げとなってしまいそうであるのでは、官僚内閣制のままである。

「現政権の建て直しのために」

よって現政権の建て直しには、まず基本となる国家戦略局を設置するべきである。地方補助金の一括交付金化も目指すべきであるが、その前提は無駄の排除である。

ねじれ国会において連立の組み替えは困難であり、政策ごとの部分連合で乗り切らざるをえない。そこから与野党の話合いの習慣が生まれ「議会制民主主義」が育つ。又保守二大政党化へ向けて(1)外交・安保で前政権と差をつけないこと、(2)政策は多数決で決める、(3)政党助成金の公正・公平な配分も大切である。

いずれにしても「政治家は本来、貧しく、質素に、そして倫理感を何よりも重んじる」人でなければならない。

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