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武藤記念講座(講演会事業)

記念講座の記録(要旨)

2013年1月12日(日)

上智大学名誉教授 渡部昇一氏
「わが国は中国と韓国にどう向きあうべきか」  
 大阪 「武藤記念ホール」

T.「現実の領土侵略にどう対処するべきか」
  中国は民主国家ではなく独裁国家であるので、どう動くかは全然分からない。従って色々と考えても始まらないので、わが国が対処する方法はたったひとつしかない。それは日米安保条約を強化して集団的自衛権を行使できるようにす ること、及び核を持たずとも米国と核シェアリング(核兵器の共有を受け、軍備を提供し、核兵器を自国内に備蓄する)することである。即ち日本と米国ががっちり軍事的に組めば、中国はジタバタ出来ないどころか、動けないのである。そして10年か20年、長くても30年後には、共産国家としては絶対に行き詰るので、それまで待てばよいのであり、それ以外に方法はない。但し相手は核とミサイルを持っているので、独自の自衛権行使は小競り合い程度にとどめ、あとは米国とともに行動するべきである。残念ながら日本は一人では動けないが、それは恥ではない。価値観を同じくする国の軍事同盟が一番の安全保障である。
  そもそも共産党国家は、威張っているようだが、国民が怖いので選挙が出来ない臆病な弱体国家である。のみならずリーダーの一族が賄賂などで巨額の資金を貯め込んで、それを国外に逃避させているのみならず、次の政権ライバルに何をされるか分からないので、自分も何時でも脱国できるよう備えを怠っていない。然し国のリーダーが自国を捨てる準備をしている国が長続きする筈がない。民主党政権はこともあろうに反米的であった。鳩山首相は「日本列島は日本人だけのものでなく、東シナ海は友愛の海」と述べた。これは日米関係が旨く行っていないとのメッセージとなり、中国の思う壷となったのである。そして日米間で隙間風が吹き始めたと見た場合、中国のみならずロシアまでもが攻勢に出て来たのである。
  韓国による竹島不法占拠に対しては、日本は休みなく国際司法裁判所に訴え続けるしか方法がない。同裁判は訴えられた国が提訴に応じないならば開けないが、日本が勝訴する可能性が100%あるので、韓国は応じる筈がない。従って諸情勢の変化があるまでこの方法を続けて、気長に待つしかない。

U.「どちらも捏造された従軍慰安婦問題と南京大虐殺」
  韓国との従軍慰安婦問題と中国との南京大虐殺問題については共通点がひとつある。前者は1965年佐藤首相と朴大統領のもとで結ばれた日韓基本条約の15年間にも及ぶ交渉のなかで一度も俎上に載せられなかった。一方後者は南京陥落以降、蒋介石と外国人記者団との300回にも及ぶ会見の中で一度も話題にされなかった。それは大陸から台湾に持ち出された極秘文書の公開で最近明らかにされたのである。然しながら両件ともその後でっちあげの展開を見せたのであった
  従軍慰安婦問題は、戦後長い間殆ど問題にされなかったが、1991年に朝日新聞が現地記者のでっちあげの記事を検証もせずに発表したので、内外に大きな反響を呼ぶところとなった。それを受けて日本政府が調査したが、被占領地での「売春業者の関与は許すが、日本国の名を借りて募集することを取締れ」との文書は存在したものの「強制連行」を裏付ける証拠は見つからなかった。然るに河野官房長官は謝れば済む問題として、反省とお詫びの「河野談話」を発表したのであった。韓国はその後この日本政府の談話を盾に、米国議会の非難決議を取り付けて(僅か10名の議員の決議であるが)、ヨーロッパ等世界中で「20万人もの女性を強制的に連行して性の奴隷とした」と喧伝しているのである。このように日本国民の恥を世界にさらした長官の罪は大きく、河野氏は国会で国民に謝り、桐花大綬章を一時返上するべきだ。さらに首相が世界中の記者を集めて客観的資料を基に弁明すること以外に、名誉回復の方策はない。
  南京大虐殺については、上述の通り蒋介石はそれに触れたことはなかったが、蒋介石政府の宣伝機関はそれを世界中にバラ撒いた。もしそれだけの虐殺が真実ならば大変な反響を呼んだ筈である。然し日本を含め世界中の新聞はそれを取り上げなかったし、国連でも話題にならなかった。東京裁判では問題にされたものの、1971年の文化大革命の折に、日本の新聞社の中で唯一報道の特権を与えられた朝日新聞が中国の手先として報道した。以来日本の教科書に取り上げられ、次いで中国の教科書にも載せられることとなったのである。これについても堂々と事実を以って論破するべきである。

V.「マクロの歴史の流れの中で中国・韓国にどう向きあうか」
  漢学者は中国のことは支那と云うべきである。そもそも中国とは、真ん中のよい国、即ち自分自身の国のことで、我が国日本のことである。支那文明とは孔子がいた周の時代が残した高度な文明である。孔子は周の文明を残すため「五経」を編纂したが、周の民族は三国時代には滅びたのである。然しのちに記された論語をはじめとする「四書」とともに「四書五経」は、隋の時代に始まった科挙のなかで清の時代にまで生き続けたのである。然し現政権はそれらを完全に破壊し、今の中国に四書五経は何も残っていない。そして周の文明の本流は日本にあるのである。五経のひとつ「易経」が一番主張していることは王朝の万世一系が途絶えないことであり、孔子の理想はまさに日本に生きているのである。又仏教もインドにはなくその本流は日本において栄えている。西洋でも自由ディスカッションのプラトン、自然研究と体系的哲学のアリストテレスもギリシャには残っていない。芸術はルネサンスで復活し、民主政治が議会として復活したのは18世紀のイギリスであり、その当時のギリシャは野蛮国と言われていた。以上の如く高い文明を作っても、作った民族は消えて文明だけは残って花咲くのである。
  日本人はどこから来たのか、英語で名著「日本通史」を著した原勝郎博士によれば、その住居が冬の寒さよりも夏の暑さを凌ぐように作られており、食べ物は米に対する執着心があり、又大陸にはない「みそぎ」を大切にする風習や「勾玉」を敬うことなど、日本人の主流は南方からやってきて、日本と百済の二手に分かれた。何故ならば百済とは長年友好関係にあり、往来が盛んであり、百済のために出兵までしているからである。よって江上波夫博士が唱える、日本の天皇は北方からやって来たとの騎馬民族説はひとつの仮説に過ぎない。
  歴史は事実を正確に伝えねばならないが、両国にはおよそその考えはない。中国は前の王朝の歴史を次の王朝が書くが、直前の三代の皇帝については厳しい追求で貫かれている。尚清国が終わってから歴史の追及はまだなされていない。又韓国は、日本のことは何を言っても許され、約束は絶対に守らない国である。以上両国は困った隣人ではあるが、日本人は「毅然とした態度で、なめられない実力」を涵養して何十年でも待つことが大切である。

質疑応答

「質問1」 

  韓国政府からの強い要請があったから、河野談話がなされたことを世界に暴露するべきではないか?勿論日本の恥にもなるが

「回答」

  当然そうするべきであり、特に河野氏がはっきり言うべきである。


「質問2」

  安倍総理の河野談話見直しに対して、米国は具体的に対応するとのことであるが、米国の意図は何か?

「回答」

  財政危機にある米国は、中国の軍拡に神経質になりつつあり、日本の協力を求めたいと言うことである。


「質問3」

  中国からの数千人と言われる工作員の思想工作にどう対処するべきか?

「回答」

  人権が国を滅ぼす」と言う言葉があるが、工作員が日本女性と結婚して子供が生まれたら、国外に退去さすことが難しくなる。さらに自衛隊の幹部の夫人にも中国人が増えている。工作員に対する警戒心は大切である。


「質問4」

  誤解を招くので、従軍慰安婦の「従軍」は取るべきでないか?

「回答」

  慰安婦は優しい言葉なので、戦場地売春婦と云うべきかもしれない。


「質問5」

  知る、学ぶ、考えることにより人生を豊かにすることに対してのアドバイスは?

「回答」

  論語の「これを知る者はこれを好む者に如かず、これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」の意味するところが大切である。


「質問6」

  安倍首相が参議院選挙まで本来の主張を隠している腰砕けぶりは、かえって マイナスになるのではないか?

「回答」

  政治的判断は非常に難しい。彼は学者でないので自分の信念をスムーズに進めるために政治的に動くことも大切である。但し変節であってはならないことは言うまでもない。              


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