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武藤記念講座(講演会事業)

第1026回武藤記念講座要旨

    2017年1月7日(土)
    於大阪「武藤記念ホール」
    評論家  
    金 美齢氏

 「世界の中の日本」 

セミナー





はじめに
  Happy New Year 明けましておめでとうございます。私は國民會館とのつながりをとても大切にしております。私は結構義理人情の人間で、当時ほとんど名前の知られていない私を、大勢の聴衆がいる講演会に初めて呼んでくれたのが國民會館でした。ですから忘れられないのです。武藤会長には「これからも呼んでください」と申し上げております。

第一章 人格の高尚誠実なるは、人間の重寶なり   
第1節 国家がしっかりしなければ、国民の生活は守れない
  武藤山治さんが書かれた金屏風の「人格の高尚誠実なるは、人間の重寶なり」とは正に「内閣総理大臣 安倍晋三さん」のことを言うのだと思います。安倍さんは人間的に成長しました。読売テレビの「そこまで言って委員会」で、私はずっと「安倍晋三を支持する」と言ってきました。あの政権交代の嵐が吹き荒れた時、民主党に国政をやらせたら駄目だと最後まで言っていたのも私です。国家の政治で実験してよいのですか。
  「国民の生活第一」これは正しいが、国家がしっかりしていなくて、どうして国民の生活を守ることが出来るのですか。みんな無意識のうちに、全部国を頼りにしていませんか。最後は生活保護が貰えると安心していませんか。
第2節 「支える側に回る」という気持ちをもつこと
  人間ですから、最後には生活保護を受けることも有り得ます。お国の世話にならないと言い切る自信はないが、人間の矜持として「支える側になりたい」これが10年前の私でした。今は「生活保護を絶対に受けない」と自信をもって言います。私は、いつまで生きるかわからないけど、今でもまだ収入があり高い税金を払っております。これは嬉しいことです。税金を払うことを嫌がる人がいますが、税金を払えることは幸せなことであると思っています。
第3節 「劣情」は持たず前向きに考えること  
  私は、人を羨ましいとか、恨んだりという「劣情」は一切持ちません。しかし理不尽なことがあれば怒ります。今韓国がうまくいかないのは、恨み、つらみ、ねたみを抱え込み、引きずる民族性にあると思います。台湾も日本の統治を50年間受けました。韓国は36年間です。しかも台湾は物産が豊かな地域ですから日本は黒字経営でした。一方朝鮮半島は地理的条件が厳しく貧しい。同じように植民地統治を受けても、台湾は親日、韓国は反日。またこれをカードにしてお金を取ろうとする。私はそういうことは「劣情」だと思う。しかしそれを平気でやる国や人間がいるということを皆さんは認識しておかなければなりません。一昨年末約束したにも拘わらず、また慰安婦像を釜山の日本領事館の前に建てる。「約束を破るのなら10億返せ」と言いたい。さすがに今回、菅官房長官は怒りました。大使を呼び戻す。総領事を呼び戻す。相手に対しアクションを取ることが出来る安倍政権の最も良いところです。怒る時は怒らなければならない。今までの日本は「遺憾です」という言葉だけでした。人間はやるべき時は一歩前に出なければならない。国民の為、国家の為、地域の為に何かできることはないか。皆が前向きに考えれば国の繁栄は問題ないのです。

第二章 民主主義とは難しいもの
第1節 建前でなく本音で話すこと
  民主主義はなかなか難しいものです。私は「ゴマすり」はしない。今まで公の場で話をしたことは全部正しかったと思っております。しかしテレビ番組を降ろされ、拾われ、また降ろされという連続でした。自分が正しいということは時間が証明してくれた。例えば「9.11のテロ事件」の時、私は「これは新しい形の戦争です」と言ったとたん皆さんひくんです。戦争と言う言葉はタブーだから。その後アメリカ大統領が「これは戦争です」と言うと、日本のメディアは一斉に「戦争」という表現を使いだしました。私は、バッシングを受けることを恐れ、建て前を言うだけで本音を言わない人は、人間性を疑います。
第2節 国を代表する人は総合点で選ぶこと
  人が好ければ首相になれるのだったら、日本人は誰でも首相になれる。日本人が認識しなければならないことは、自分の国を代表してG7やG20の国際会議に出る人は、会議だけではなく、ディナーまでこなせる人でなければならないということです。会議は、通訳やシェルパがつくし資料もある。ディナーではどういう話題が出るかわからない。しかも言葉は英語かフランス語。1人で何も言わず黙々と食べる人では、日本を代表し国際会議に出るのは絶対相応しくない。また各国の首脳がテレビに映し出される、その表情や見た目も大切です。人間の中身や勇気、日本を愛していることは最も大切なことですが、見た目も大切だということが日本人には分かっていないと思う。人間はどういう風に生まれて来るか決められないから見た目のことを言わず、建前ばかりではだめです。人間としてどれだけの点数を持っているかという総合点で考えなければなりません。
第3節 「真っ当な人」が少ない今の日本
  國民會館が千数十回もの長い間、講座を地道に積み上げて来た。こういうことをしてくれる人がいるから、日本の基盤はしっかりしているのです。そこに繋げて考える人がどれだけいるでしょうか。それぞれの家庭、学校、会社、地域、国がやっている積み重ねの上で、日本は豊かで、基本的に安定している。だから我々は幸せな生活ができる。それに感謝する「真っ当な人」が少ないのが今の日本社会です。

第三章  世界の中の日本
第1節 「子供を甘やかす」日本の家庭教育
  日本の家庭教育は、世界一子供を甘やかしている。私は1年に1度は、ヨーロッパやアメリカに出かけて行き、一番良いホテルを泊まり歩くことにしている。そこでは子連れでホテルに泊まっているのを見たことがない。日本では平気で子供をホテルへ連れていく。立派なホテルに子供を連れて行かないのが世界のルールです。子供がその場に相応しい教育を身につけるまでは足を踏み入れては行けないという家庭の教育です。世界の中で日本の一番の問題点は過保護。子供を愛するというのがどういうことなのか全然わかっていない。愛することとは、一人前にして自分の足で世の中に立っていけるように家庭教育することであって、舐めるように可愛がる事ではない。日本人の最大の欠点である。
第2節 表層しか見ない日本人
  パリでルーブルにいるのは中国人・韓国人の観光客ばかりで日本人はいなかった。これは非常に悲しいことです。日本人はどうした。外国に行かないのか。スマホで表層だけ見ている。センチメンタルでセンセーショナルな情報のみ入って来る。一番悪い例が、流行語大賞候補となった「保育園落ちた、日本死ね」です。保育園に入れないことが大変であることはわかる。しかし保育園リストには優先順位があり、必要度の高いシングルマザーの子供から入ることになっている。これがポリティカル・コレクトネスです。セイフティーネットは絶対必要ですが、支える側の人がいなっかたら成り立たない。世界一金持ちの国アメリカが今になっても国民皆保険ができず、大騒ぎではないですか。日本は既に皆保険になっている。国民全員。留学生、外国人でさえ入れる。それは国の力がついてきたからです。また、貰うことばかりでなく、支える側に回りたい人がどんどん出て欲しい。それでなければ良い国にはなれません。
第3節 世界の中の日本
  イギリスに足を踏み込んだ時、「EUを離脱したいと思っている人が沢山いても当たり前だな」と現場の空気で感じました。しかし本当に離脱するとは思わなかった。これまでのイギリス人はドラスティックな選択はしなかったからです。移民、難民が入り人口構成が変わり、大英帝国の力がなくなってきた。かつて私がケンブリッジにいたころは、大学に所属する人達と町の人達は、入る店も違っていたが、やっかみも、恨み辛みもなく、それぞれが自信と誇りを持っていた。しかし今は日本が世界一の国になったと思う。世界の中で日本が発言して行かなければならないし、発言できる立場となった。私たちの総理大臣 安倍晋三が、G7やG20で国際会議を仕切る。日本が世界の中で、国際社会でこれだけ重要な立ち位置を手に入れたのは初めてです。約束を守らない韓国に「無礼でしょう」と言うべきです。韓国人の「劣情」を拡大するような日本のメディアに惑わされてはいけない。「自分が何をして、何を考えて、何をするべきなのか」一歩前に進んでいただきたい。

質疑応答
「質問1」

  民進党蓮舫代表の二重国籍問題をどのようにお考えになっておられるか。

「応答1」

  人間は自分のアイデンティティを決める権利があります。何が一番良いか自分で決めるのが良いと思っています。去年の1月16日台湾の総選挙で「自分たちは台湾人である」という意思表明をしました。だから選挙に勝ったのです。蔡英文に投票したのは56%、日本が大好きだという人も56%、そういうところです。台湾人の血と日本人の血を持った蓮舫さん、自分は日本に生まれ日本人であるというアイデンティティに異議を唱えることはない。ただ二重国籍と言われた時に、彼女の問題は国会議員であるということです。私たちの血税を1億円以上使っている。それだけ責任がある。自分のアイデンティティをきちっと決めないといけない。普通の人と違う。国会議員は、JAPANファーストでなければいけない。国籍は日本だけにするべきである。もう一つ、彼女の実家はバナナ商人で金持ちになった家である。これは台湾の恵みである。クォーター制で割り当てられた商人は全員金持ちになっている。台湾からの恵みであり特権である。そのことを一言も言わず、台湾に善意を示したこともない。人間として最悪である。


「質問2」

  安倍政権は長期政権を築いているが、ポスト安倍は誰だと思いますか。

「応答2」

  安倍晋三以外にいない。


「質問3」

  安倍首相の「ばあや」として、トランプ政権が1月20日に発足するが、どのような助言をするか。

「応答3」

  昨年11月15日、自宅のパーティーに、安倍首相は少し遅れて参加された。2日後の17日にアメリカの次期トランプ大統領と会談するのに、参加していても大丈夫かと聞いたところ、「アメリカは時差があり17日に出て17日に着くので大丈夫」と余裕をもっていた。一度大変な思いをして立ち上がった人は強い。総裁選に出馬する前に「覚悟すべきときは覚悟を!」と言ったら、「一度地獄を見ているので怖いものはない」という答えであった。出馬するとは答えなかったが。今は心身共に非常に良い。安倍総理がいるので、混乱した世の中で日本は総合点で世界一であると言える。幸せである。総裁になりたての頃「台湾は2期で8年なので8年しなければ」との問いに「自民党の総裁は1期3年、2期で6年迄」その時は始まったばかりで6年は、総裁をやるつもりと思った。今、空気で3期9年になる流れになりそうである。
  安倍首相が、最初に政権を降りた時、皆さんがバッシングして大変な時期、私は自由民主党の機関紙に「あなたはまだ若い、再チャレンジ出来る人生、率先垂範10年後を目指して」と書いた。時の流れが早くなったので5年で復活した。日本の為に良かったと思う。


「質問4」

  日本人の国民性は今と昔で変わったのでしょうか。東南アジアの人は、パワフルで少しでもお金を稼ごうとしている。日本人はパワフルさがなくなったのではないか。

「応答4」

  日本人はハングリー精神がない。東南アジアはハングリー精神があり、もう一つは気候が良い。日本人の一番の問題は、金融資産の6割が年寄りの手にあるのに老後の心配ばかりしていて使わない。ネガティブな発想が先にくることはとても問題である。東南アジアの人は、ポジティブに考え一歩前に出ようとする。出来る人には少しお金を使い、若い人には一歩前へ出、スマホを捨て、街を見て歩くよう言いたい。家庭教育を反省しなければいけない。両親が、子供を舐めるように可愛がる。我が家は「働かざる者、食うべからず」を徹底した。日本の豊かな社会で仕事がないというのは仕事を選り好みしているのである。
  私の夫は、どんな仕事でもする覚悟で日本に出てきた。日本は快適で何でも生活できる、こんな快適な国はない。日本は世界一。甘えていないで、この世界一の基本的な条件を次の世代に引き渡していけるよう、駅伝の襷リレーのように、若い人の発想でもうちょっと良い国に出来るようなことをすることが、私たち大人の責任であり、國民會館の責任です。


「質問5」

  プーチンと小池さんについて見解をお願いします。

「応答5」

  小池さんとは長い付き合いで、アイデアも行動力もある。仁徳に磨きをかけてもらいたい。
  プーチンさんは独裁者ですから、テレビの制作者は批判的なことを考えるが、私は、プーチンでなければ領土問題は解決出来ないと思う。領土問題は、国際問題だけではなく国内問題である。領土問題は、力のある独裁者が「うん」と言わなければ実現出来ない。そういう意味で、今がチャンスであると思っている。プーチン・安倍会談が山口県の長門で行われた。長門は、山口宇部空港から遠い。それなのにプーチンが来た。プーチンは、安倍晋三首相に善意、好意を表している。長門は首相の父親安倍晋太郎の出生地である。


「質問6」

  台湾と日本、アメリカと組んで中国に対抗出来る方法はないか。

「応答6」

  良い方法があれば、教えていただきたい。しかし、皆さんにはっきり申し上げたいのは、台湾人は中国人ではありません。「台湾人は自分が台湾人である」というアイデンティティを昨年の1月16日の選挙で選んだ。蔡英文総統が誕生したのは選挙の結果です。台湾人であるというアイデンティティを選んだのは56%、世界で一番好きな国で日本を選んだのも56%。その数字が一致する根底は何か。それは、日本と台湾がシェアした50年の歴史。1895年から1945年迄、台湾は日本の統治下にあった。その間台湾と日本は歴史をシェアした。何故日本に統治されていた台湾は日本が好きで、同じ様に統治されていた韓国は反日と言っているのか。これは、民族性の違いです。台湾人は素直で、前向き。陽気で、明るく比較的恨み辛みを言わない。それは、ある意味では、台湾人の欠点でもある。私は、劣情は一切言わないが、怒ることを知っている。だから、怒ることを知っている台湾人を増やさなければならないと思っている。この度の選挙の勝利は、血統がどうであれ外省人の二世も自分が台湾人であるというアイデンティティを選んだ人はたくさんいる。これは、教育であり知識であり知性であり教養である。これが中国に対する台湾人の答えです。



以上は、「金美齢氏の講演」を國民會館が要約・編集したものであり、文章の全責任は当會館が負うものです。



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