令和4年12月のご挨拶
  師走に入り、残りも僅か一か月となりました。新型コロナウイルス感染症の発生から約3年が経過しましたが、未だ収束に至っておりません。しかし社会・経済活動は徐々に正常化に向け動き始めました。2月にはロシアのウクライナ侵攻が始まり、「平和ボケ」の日本人に大きな衝撃を与えました。我が国を取り巻く深刻な安全保障環境と相俟ってようやく防衛力強化の本格的な議論が始まりました。一方ロシアに対する経済制裁は世界中で物価高騰を招いております。約30年に亘り経済が低迷している日本は、円安とのダブルパンチで国民生活は苦しくなる一方です。
  さて来年の干支は癸卯(みずのと・う)で、新たな生命が成長し始め、景気が好転する縁起の良い年と言われています。苦難を乗り越え、希望に溢れた年になることを願いたいものです。なお今年最後の武藤記念講座は中西寛先生です。

令和4年12月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年11月のご挨拶
  今後のアメリカ政治の方向性を左右する中間選挙が今月8日に投開票されます。これは4年ごとに実施される大統領選の中間にあたる年に、連邦議会の上下両院の議員と州知事や地方議員などを一斉に決める選挙です。大統領の任期4年間のうち、最初の2年間の政権運営に対する中間的な審判を下す選挙として位置付けられていて、与党民主党が上下両院のいずれかでも、多数派を共和党に譲り渡せばバイデン政権には大きな打撃となります。激化する党派間対立から様々な政策を迅速に推進することが難しくなり、大統領の求心力低下は免れません。また確実に外交政策や通商政策で日本への影響が出てきますし、さらに2年後の大統領選を占う試金石ともなりますので注視する必要があります。
  今月の武藤記念講座はパリ在住の作曲家 吉田進先生です。ご期待ください。

令和4年11月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年10月のご挨拶
  新型コロナの第7波がようやく落ち着きを見せ、感染対策と社会経済活動の両立を図る「ウイズコロナ」が本格的に動き始めました。政府は濃厚接触者の待機期間や感染者の療養期間の短縮に続き、感染者の「全数把握」の簡略化を全国一律に導入しました。高齢者などは引き続き保健所で健康状態を管理しますが、若者や軽症者は自己管理が基本となります。一方、外国からの入国者数は上限がなくなり、入国手続きが迅速化されます。3回のワクチン接種証明又は出国前72時間以内の陰性証明により入国時ウイルス検査が廃止されます。また国際線を受け入れ空港が順次拡大されることで、観光地や飲食店は賑わいを取り戻すことになります。しかし11月後半からは第8波が懸念されます。政府には引き続き医療態勢の整備に取り組んでもらいたいものです。
  今月の武藤記念講座は、東京が河添恵子先生、大阪は小松正之先生、山下英次先生の予定です。

令和4年10月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年9月のご挨拶
  岸田文雄首相は、2011年の福島第一原発事故以来「原子力発電所の新増設や建て替えは想定していない」としてきた方針を転換し、ようやく次世代の革新的原子炉の開発・建設に向けた検討を始めるよう指示しました。また当面は既存原発の再稼働を推進する姿勢も明確にしました。この判断は全く遅すぎると言わねばなりません。
  脱炭素社会への転換に向け安定的なエネルギー供給を確保することは、国民生活や産業活動の根幹です。現状では、太陽光などの再生可能エネルギーへの急激な拡大から、電力需給が逼迫する事態が起きております。ロシアのウクライナ侵攻により、原油や天然ガスの価格が高騰し、安定調達の危機が高まり、日本のエネルギー安全保障の脆弱性が明らかになりました。今後原発活用の議論を迅速に進め着実に実行していくことが重要です。
  今月の武藤記念講座の講師は、産経新聞論説顧問の齋藤勉先生です。ご期待ください。

令和4年9月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年8月のご挨拶
  参議院議員選挙の応援演説中の安倍晋三元首相が、背後から銃で撃たれ死亡したことは世界中に大きな衝撃を与えました。民主主義国家の我が国においていかなる理由であれ、このような理不尽な暴力により人の命を奪うということは決して許されることではなく、深い憤りを覚えます。
  激動する国際情勢の中、安倍氏は戦後レジームからの脱却を目指し、独立した主権国家として、我が国の安全を自ら守るために安全保障法制を整備し、日本のよき伝統や文化を復活させ、地球儀を俯瞰する外交により、各国首脳との人脈を築き国際的に存在感を高めていったことは明らかです。首相在任期間が憲政史上最長となったのは、多くの国民の支持を得たからに他なりません。安倍氏の突然の死は、日本の国家、国民にとって測り知れない損失であり、心からの哀悼の意を捧げます。
  今月の武藤記念講座の講師は外交評論家の石平先生です。

令和4年8月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年7月のご挨拶
  今月10日は参院選の投開票日です。今回の選挙では「経済対策」「社会保障政策」「外交・安全保障政策」の三つが最も重視されています。特に「安全保障政策」はこれからの日本の針路を選択する重要な争点です。
  豊かな暮らしや安定した老後の生活は大切です。しかし国家の存立こそ大前提であることをウクライナ危機が明らかにしました。尖閣諸島で領海侵入を繰り返し東・南シナ海で軍事的緊張を高める中国、核開発を進め、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮、ウクライナ侵略という暴挙に出たロシア。核を保有し軍備増強を進める権威主義国家に囲まれた我が国は、世界で最も危険な場所に位置しています。迫りくる危機に対して抑止力の強化は急務です。国民の生命と財産を他国の信義と信頼に委ねる非現実的な憲法は、今こそ早期に改正しなければなりません。
  今月の武藤記念講座の講師は国際金融の専門家、真田幸光先生です。

令和4年7月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年6月のご挨拶
  ロシアによるウクライナ侵攻は三カ月を経過した今も先が見えず、泥沼化の様相を呈しています。国連は、国際ルールを破り、他国の領土を侵略しても止めることができない。軍事侵攻が始まってからも有効な手が打てず、住民の虐殺を防ぐこともできない。今その存在意義が問われています。
  国際紛争を平和的に解決するため、すべての加盟国を拘束力する決定ができる安全保障理事会は、米英仏中ロの五つの常任理事国が拒否権を持っていて、機能不全に陥っています。国連は本当に国際社会の“平和を愛する諸国民の公正と信義”を代表し、“われらの安全と生存の保持”を信頼して託せる機関なのでしょうか。世界第三位の国連分担金を支払いながら、いまだに敵国条項の差別を受ける日本は、積極的に国連改革に取り組む必要があります。同時に国際社会の現実を直視した安全保障政策を進めることが喫緊の課題です。
  今月の武藤記念講座の講師は軍事ジャーナリストの井上和彦先生です。

令和4年6月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年5月のご挨拶
  ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアに対し、日本は欧米諸国と協調して経済制裁を強化していますが、プーチン大統領は、こうした制裁措置が欧米側に跳ね返っているとして、開き直りの姿勢を示しています。
  日本でもエネルギーや穀物の価格高騰により、企業収益の悪化や個人消費の減速が懸念されます。しかし「ウクライナの悲劇」は決して他人事ではなく、看過すれば力による現状変更を試みる「第二のロシア」が現れかねません。
  国際情勢が厳しさをますなか、今国会では「経済安全保障推進法案」の審議が進められています。官民がどう連携して国民の暮らしを守るのか、規制と自由な経済活動のバランスをどう図るのか、議論を深めてもらいたいものです。
  今月の武藤記念講座は14日が東京の国際文化会館で富岡幸一郎先生、21日が武藤記念ホールで加藤康子先生です。

令和4年5月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年4月のご挨拶
  圧倒的な兵力でロシア軍がウクライナに軍事侵攻を始め1か月が経過しました。ウクライナ軍の予想以上の激しい抵抗により戦況は膠着状態ですが、一般市民の犠牲者は増え続けており、また戦況打開のためプーチン大統領が核兵器や生物・化学兵器を使用する恐れも出ております。
  国連総会は「ウクライナ領土からロシア軍の即時撤退」を決議し、欧米日は厳しい経済制裁でロシアに圧力をかけていますが、停戦への有効な手立てを示せないのが実情で、ウクライナの悲惨な状況は長期化する様相です。平和ボケした日本人はこの現実を目の当たりにして、今こそ覚醒する必要があります。
    4月2日(土)の武藤記念講座は、国際政治学者で、東京外国語大学教授の篠田英朗教授に「憲法9条」についてご講演いただきます。

令和4年4月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年3月のご挨拶
  懸念していたロシアのウクライナ侵攻がついに現実となってしまいました。世界の平和と安全の維持に責任を負うべき国連安全保障常任理事国、しかも現在議長国であるロシアが国際法を無視し、圧倒的な武力で隣国の主権と領土を侵害したことは、国際秩序の根幹を揺るがすと同時に、あらためて米国の力の衰えを印象づけました。
  冷戦終了後の米国が内向き志向に転じ「世界の警察官」役を降りたことで、世界は混迷の時代に突入しました。ウクライナ危機の対応次第では、アジアにおける中国の海洋進出を加速化させ、我が国の安全保障に重大な影響を及ぼす危険があります。ロシアへの対応について我が国は、G7をはじめとする国際社会と結束し、これまでにない覚悟と行動を示す必要があります。
  なお今月5日の「武藤記念講座」は予定どおり神戸大学の平野恭平先生の講演会を開催します。

令和4年3月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年2月のご挨拶
  政府は「佐渡島の金山」(新潟県)を世界文化遺産に登録するため、国連教育科学文化機関(ユネスコ)へ推薦すると表明しました。当初、韓国から「戦時中に朝鮮半島出身者らへの強制労働あった」との反発で推薦の見送りが検討されましたが、「文化遺産としての価値はあくまで江戸時代が対象」であり、推薦を見送れば、韓国の不当な主張を認めたことになり、国際社会に誤ったメッセージを発信すると判断したようです。
  韓国側は今後も登録阻止に向けた熾烈なプロパガンダを仕掛けてくるのは明らかです。日本の正当性を国際社会に浸透させ、佐渡金山の登録に全力を挙げなくてはなりません。
  なお今月の「武藤記念講座」は、産業遺産国民会議の加藤康子氏を予定しておりましたが、「まん延防止措置」の発令により延期することとしました。

令和4年2月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和4年1月の新春のご挨拶
  謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
  2020年の初めより、世界に脅威を与えてきた新型コロナウイルスは、ワクチン接種の浸透で、落ち着くように見えましたが、新たな変異株「オミクロン」の出現で、感染は容易に収まるとは思えない状況です。今年も国民の健康や生活に大きな影響が出ることを懸念しております。一方国際政治に目を向けますと、今年の秋、米国の中間選挙と中国共産党大会が予定されております。双方の国内事情を考えますと、米中対立はさらに深刻化し、収拾がつかなくなる危険を孕んでおります。
  今年の日本を取り巻く環境は、不確実性の高い状況が続くことが予測されます。私共は、様々なリスクに対する警戒を怠らず、いざという事態に備える心構えと準備を進めることが肝要です。
  なお新春の「武藤記念講座」は、1月8日、國分良成先生をお迎えします。

令和4年1月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太






令和3年12月のご挨拶
  コロナの脅威に怯えて暮らす生活も二年目が終わろうとしています。岸田新総理は「コロナに対し常に最悪の事態を想定して対応する」と表明し、コロナ対策の全体像を初めて明らかにしました。先ず医療提供体制を強化し、今夏の第五波ピーク時と比べ三割増の三万七千病床を11月末までに確保する。第二はワクチン接種を推進し、12月からは三回目の追加接種を開始する。第三に経口治療薬を年内に実用化し、速やかに医療現場に配布する。最後に重症化抑制の対応と検査の拡充により、日常生活を回復するということです。一方ここへきて新たな変種株「オミクロン」が世界的に感染拡大する動きが出てきました。総理には迅速な危機管理対応で国民の安心、安全のため全力を尽くしてもらいたいものです。
  なお今年最後の武藤記念講座は所功先生です。

令和3年12月1日 公益社団法人國民會館 会長 武藤治太